こんにちは、高尾です。

来週末は半年ぶりの国内グランプリ、『GP京都2018』が開催されますね!
参加される各チームもそろそろデッキを確定させたい焦りの時期でしょうか。



かくいう僕もスタンダード担当なのでTier1のデッキは一通り触ってみました。
今回はスタンダードのデッキを紹介するのですが、その前にメタゲームの変化について軽く言及しておきます。

つい2週間ほど前までは赤単がトップメタだったスタンダード環境ですが今ではそれも3、4番手。
赤単は単色ということもあっていつの時代も対策されやすく、環境が進むと必ずと言っていいほどメタゲーム順位が2番手以降に落ちます。
今回の場合、白黒吸血鬼と白緑トークンの登場が最大の要因だという認識です。


『白黒吸血鬼』

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5枚 4枚 4枚 3枚 4枚 2枚 2枚





3枚 4枚 4枚 2枚

3枚 3枚 4枚 4枚 3枚 2枚 4枚





2枚 4枚 1枚 3枚 2枚 2枚 1枚


『白緑トークン』

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4枚 4枚 4枚 4枚 4枚 4枚 1枚





1枚 4枚 4枚 4枚

3枚 4枚 4枚 4枚 3枚 4枚





2枚 4枚 2枚 2枚 2枚 3枚

《ボーマットの急使》《地揺すりのケンラ》《アン一門の壊し屋》《熱烈の神ハゾレト》どれもトークンの群れの前には大した仕事をしないクリーチャーばかりです。
吸血鬼にいたっては絆魂の群れを全体強化してくるので相性最悪。
以前はトークンに対しても絆魂に対しても《暴れ回るフェロキドン》が睨みを利かせていたのですが、彼はもうこの世にはいません...。


実際リーグに潜ってみても赤単には1リーグに1回当たる程度で、2、3回当たっていた以前と比べると環境はやや低速化したと言えます。
現在は青黒ミッドレンジ、青黒コントロール、グリクシスエネルギーなど青黒系統のデッキがTier1です。

◆今回の注目カード

以上を踏まえ、今回のデッキをご紹介していきましょう。
環境が低速化したということは盤面を組み立てるのに時間を要する様々なデッキにチャンスが訪れます。
そう、今回の注目カード《策謀家テゼレット》にも!!


『霊気紛争』で登場して以来ほとんど使われることのなかった《策謀家テゼレット》さん。
もはや彼の存在を忘れていた人も多いのではないでしょうか。

個人的な見解としては《策謀家テゼレット》自体の性能は決して弱くなく、なんなら強いとすら思っています。
なんせ着地してから2回クリーチャーを除去してもまだ残る高い忠誠度を誇るのですから。
奥義も最速で着地した3ターン後となかなかのプレッシャーです。

問題は環境にあるアーティファクトに恵まれなかったことです。
いくら《策謀家テゼレット》が優秀でもアーティファクトが並ばないことには力を発揮してくれません。

それでは一体どんなアプローチでデッキを組んだのか?
まずはデッキリストをご覧下さい。


高尾 翔太―『青黒テゼレッター』

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4枚 6枚 2枚 4枚 4枚 1枚 1枚





2枚 2枚 2枚 2枚 3枚

4枚 1枚 4枚 4枚 4枚 3枚 3枚 4枚





2枚 2枚 1枚 2枚 3枚 1枚 2枚 2枚

アーキタイプ的には青黒コントロールの亜種と言うべきでしょうか。
《致命的な一押し》《ヴラスカの侮辱》《スカラベの神》は青黒というカラーではもはやお馴染みの面々です。
そこに追加のフィニッシャーである《策謀家テゼレット》《艱苦の伝令》に加え、それらの価値を高める数々のアーティファクトで構成されています。


通常の青黒コントロールがひたすらインスタントを構えてドローゴーするのに対し、このデッキは盤面を掌握しながらリソースを稼ぐボードコントロールです。また、相手の《ヴラスカの侮辱》を打ちたい対象を多めに採用して枯渇させるのも1つのコンセプトです。

そしてそのアドバンテージ源となるのが、『ザカマランプ』でも採用していた《宝物の地図》です。
ひとたび変身すれば"宝物"が3つ出てくるので、アーティファクトの数が多いほど力を発揮する《策謀家テゼレット》《艱苦の伝令》との相性は抜群です。

採用カードの役割について説明します。

艱苦の伝令



最速4ターン目に出せるフィニッシャー。 《反逆の先導者、チャンドラ》《栄光をもたらすもの》で焼かれず、《再燃するフェニックス》も受け止めることができます。 また、《地揺すりのケンラ》《立て直しのケンラ》《機知の勇者》などの誘発型能力に対してパワーを下げることができるのもかなり重要です。


改革派の地図



土地枠の手軽なアーティファクトカウント。
"紛争"や"即席"のために後々必要になることがあるので、土地が詰まるまでは起動は極力控えます。


霊気装置の設計図



カード自体は弱いのですが、"即席"カードや《策謀家テゼレット》の価値を一気に高めてくれます。
これとあと1枚アーティファクトがあるだけでも4ターン目には《艱苦の伝令》を出すことができます!
ちなみに《歯車工の組細工》じゃないのは《艱苦の伝令》との生け贄シナジーがあるからです。


禁制品の黒幕



《霊気装置の設計図》《宝物の地図》など複数のアーティファクトを出せるカードと相性がいいです。
《策謀家テゼレット》の電池生成で占術できるのもポイント。
《スカラベの神》で釣っても強力です。


財力ある船乗り



リミテッドカードっぽいですが、《禁制品の黒幕》からの《財力ある船乗り》で盤面を固めながら占術したり、4ターン目に《策謀家テゼレット》《スカラベの神》に繋げても強いです。
たくさん引くと流石に弱いので2枚に抑えてます。


オラーズカの拱門



終盤のマナフラッド対策。
パーマネントを複数出せるカードが大量にあるので、"昇殿"は容易に達成することができます。


続いてサイドボードです。


ジェイスの敗北



主に《スカラベの神》《奔流の機械巨人》用。


大災厄・豪華の王、ゴンティ



コントロールや《殺戮の暴君》を入れてくる相手にサイドインします。


黄金の死



白黒吸血鬼、白緑トークン用。
メインボードは群れに弱い構成なのでサイド後はこれがキーパーツになります。


グレムリン解放



マルドゥ機体、白緑トークン用。
特に後者はHareruya Hopesの浦瀬くん《霊気圏の収集艇》《領事の旗艦、スカイソブリン》をメインボードに採用したリストでMOPTQを突破しており、それに対して有効です。

最低でも霊気装置トークンを複数破壊するのに使えるので入れて損はないでしょう。
赤マナを出せるカードもたくさん入ってるので色マナの心配はありません。


没収の曲杖



青白王神、青黒ミッドレンジ用。
前者はもちろん、後者も《機知の勇者》《スカラベの神》《奔流の機械巨人》など複数刺さる対象があります。
アーティファクトなのですんなり入れ替えられるのがいいですね。


ちなみに青黒対決では消耗戦になった際にトップ勝負になりやすいので、明確に勝ちたいなら《沼》を2枚くらい《花盛りの湿地》に変えてサイドに《殺戮の暴君》を採用するのもいいでしょう。


◆終わりに

いかがでしたでしょうか?
正直記事用に作ったファンデッキの予定だったのですが、これとほぼ同じリストで競技リーグに出たところ、4-1、5-0、2-3、MOPTQで6-3と望外な成績を収めることができました。
絶望的なマッチアップもなさそうだったので思いのほかいいデッキかもしれません(笑)

単体で弱いカードが入っている関係で引きムラはあるものの、その分爆発力はありますし何より回しててすごく楽しいので興味を持った方は一度回してみて下さい。

それでは来週末のGP京都に参加される方のご健闘をお祈ります。
Good Luck!