こんにちは、高尾です。

チーム構築戦で行われた『マジック25周年記念プロツアー』から約2週間が経ちました。
僕は残念ながら権利がなく参加することすら叶わなかったので、いつの日か権利を獲得すべく日々精進中です!


来週末にはRPTQ、そして来月には日本選手権とGP香港が控えているのでスタンダードとモダンを同時並行で練習しなければなりません。
今回の記事ではモダンの練習のさなか、なかなか手応えのあるデッキができたのでそのデッキを調整過程込みでご紹介していきたいと思います。
◆現在のメタゲーム

まずはメタゲームのおさらいから。
最もお手本となる『マジック25周年記念プロツアー』のメタゲームブレイクダウンから引用します。
※リンク先は【マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト】になります。



コンボに耐性のある人間ビートが頭1つ抜けて最も多く、次いで白青コントロールとアイアンワークス、緑単トロンが約10%。次いでホロウワンと赤黒復習蔦など墓地を活用するビートが人気だったようです。

他にも多種多用なデッキが存在しますが、全てに勝てるデッキを構築することは不可能に近いので主にこれらに焦点を当てたいです。

ちなみに実際にMOのリーグに潜ってみても、確かに人間ビートダウンは最も多くマッチアップしました。一番多くて1リーグ(5マッチ)中3マッチと、スタンダード環境かと思うほどの偏りです。

アーキタイプがバラけやすいモダンですが、今ならある程度メタを絞った構築が許容される印象です。

◆デッキ選択と調整

以上のことから僕が思い描くデッキの理想は...

・除去の薄い非クリーチャーデッキは人間ビートに不利⇒除去は多めに採りたい

・人間ビートと墓地活用ビートにはカウンターが効かない⇒メインに除去以外の妨害手段は不要

・白青コントロール以外はどれも速度が早い⇒それらに勝るにも劣らない速度が必要

こうなると最初はバーンが最適解な気がしたのですが、バーンはクリーチャーがとにかく少なくて勝ち手段を本体火力に頼ってる関係で、クリーチャーに火力を打っているといずれリソース不足に陥って負けてしまいます。

ですのでクリーチャーに除去を積極的に打ててかつ速度もあるデッキを求め、MOの5-0リストを眺めていました。すると青赤ウィザードなるものがあるじゃないですか!


赤青ウィザード
Competitive Modern League 2018-08-07 (5-0) by ANONUS


2枚 1枚 2枚 4枚 4枚 4枚





4枚 2枚 4枚 2枚 4枚 4枚

4枚 2枚 3枚 4枚 2枚 4枚 4枚





3枚 3枚 2枚 2枚 3枚 2枚


8枚の《稲妻》に加え《瞬唱の魔道士》《渋面の溶岩使い》と除去は多いとは言わないまでも一定数入っています。 また、複数回"果敢"しつつ《変異原生の成長》を打てば1ターンで10点は軽々と削ってくれて速度も保証されています。
こうしてこのデッキに魅了されて3リーグほど回してみたのですが...

これが勝てない勝てない。
3-2が1回と2-3が2回であまり振るわずでした。

リストを眺めた時点から懸念していた問題がいくつもありました。

《僧院の速僧》がウィザードでないために《魔術師の稲妻》が安定して打てない。

《秘密を掘り下げる者》や"果敢"のためのインスタント・ソーサリーの枚数が若干足りない。

・クリーチャーを焼ける火力がもう2~3枚欲しい。

《魔力変》はたった1回"果敢"を増やすだけで、キープ基準にならない&デッキの実が薄くなる原因。

・"果敢"させるために《選択》は結局メインで打つので《手練》の方がほぼ上位互換(1枚多く見た上で選べるため)。

《流刑への道》《致命的な一押し》などの除去を構えてきた相手に《変異原生の成長》が腐りがち。

・サイド後の相手の《イゼットの静電術師》が辛く、それを乗り越えられるカードがサイドに必要。

こうして調整したリストがこちら。

高尾 翔太 ― 『バーニングウィザード』

:Download MO Format

4枚 3枚 2枚 2枚 2枚 2枚 4枚





4枚 4枚 2枚 3枚 4枚

4枚 4枚 4枚 2枚 4枚 4枚 2枚





3枚 2枚 2枚 1枚 2枚 1枚 1枚 1枚
2枚


クリーチャーはウィザードのみにし、インスタント・ソーサリーの枚数を24枚確保することでデッキの動きを安定させました。

クリーチャーを焼ける追加の火力は《噴出の稲妻》を採用。
これをクリーチャーに打てば後々《稲妻》が本体に打てるようになりますし、大量の除去でロングゲームを挑んでくる相手にキッカー本体4点が馬鹿になりません。



最も大きな変更点として、《変異原生の成長》の代わりに《溶岩の撃ち込み》を4枚採用しました。



1マナかかってしまうものの"果敢"を考慮しても打点はほぼ同じですし、何より除去を打ってくる相手にもバーン戦略でねじ込めるようになったのが大きいです。

3点火力12枚+《瞬唱の魔道士》3枚+《噴出の稲妻》2枚でライフ10点未満なら火力だけで削ることができます。
サイド後はライフを守られやすくサイドアウト筆頭ではありますが、メインは本当に勝利に貢献してくれます。

サイドボードのカードについて解説します。

儀礼的拒否、粉々


トロン、アイアンワークス、親和、ランタンなどに。
特に《儀礼的拒否》は細かく複数回動きたいこのデッキにとって1マナは偉大で、《瞬唱の魔道士》でも使い回しやすいです。

払拭


白青・ジェスカイコントロール、マルドゥパイロマンサー、ストーム、バーン、グリクシスシャドウなどに。
主に除去を弾く目的で、これも1マナなのが偉いですね。

否認


2マナと重いものの《儀礼的拒否》《払拭》の両方の役割を備えた丸い妨害枠。
オジュタイの息吹


かなり珍しいチョイスかと思います。
《死の影》《グルマグのアンコウ》といったファッティが触りにくかったことから採用。
ほぼ専用カードですが劇的に刺さりますし、"反復"は"果敢"と相性抜群です。

四肢切断、焙り焼き


主に《タルモゴイフ》《グルマグのアンコウ》《虚ろな者》を焼く用に。

イゼットの静電術師


人間、スピリット、マルドゥパイロマンサー、親和などに。
追加の《渋面の溶岩使い》でないのは、相手の《イゼットの静電術師》で焼かれたくないからです。

光と影の剣


人間、グリクシスシャドウに。
これが人間側が入れてくる《イゼットの静電術師》を乗り越えるためのカードです。

サイド後、こちらはタフネス2以上の生物しか生き残らず、相手の生物も火力で捌く消耗戦になりやすいです。 そしてまともに戦うと《民兵のラッパ手》分のリソース差で負けてしまいます。

そこでタフネス2以上にこれを装備してイージーウィンを狙います。
プロテクションが劇的に刺さりますし、1度通り始めればクリーチャー回収モードに入るのでまず負けないです。

グリクシスシャドウには《コラガンの命令》で割られるリスクはあるものの、割られなければ楽に勝てます。

◆終わりに

いかがでしたでしょうか。

この元のリストから大幅に変更した形で再度2リーグ挑んだのですが、まさかの2連続5-0!!


特にメインボードは見違えるほどよく回ったのでなかなかの完成度だと思います。

また回してて気づいたのですが、メインはバーン戦略に近いですがサイド後は柔軟に戦うことができるのがバーンにはない大きな利点に感じました。
例えば《神聖の力戦》を張られるマッチでも、サイドの入れ替え次第では勝つことができます。

マッチアップの偏りなどもあってサイドは使ってないカードもあるので、もっと数をこなして完成度を高めていきたいです。
特にマルドゥパイロマンサーだけはまだ明確なプランが見えていないので、そこを詰めていきたいですね。
《紅蓮の達人チャンドラ》なんかいいかもしれません。


そんなところで、PPTQに出ている方や来月のGP香港に出られる方などの手助けになれば幸いです。

それではまた!