◆事前準備
今回のGPクアラルンプールのフォーマットはスタンダードになります。
1週間前がPTカラデシュという事もあり、PT前のデッキのまま・PTのデッキを使用・PTの結果を元に改良したデッキなどメタゲームが固まる前でありどこに焦点を当ててメタゲームを予想するか難しい所です。
PT結果が出る前は赤黒マッドネスを調整していましたが動きにムラがあり安定しない事とサイドボーディングが難しい為、PT翌日にグリクシスコントロール・4C機体・青白フラッシュを一通り回してみました。
(霊気池の驚異デッキに関しては一番多いであろう青白フラッシュに勝てないという事で候補から外していました)

グリクシスはHareruya Prosの八十岡さんがオススメしないだけあって、カードの噛み合わせが狂うと一瞬で負けてしまうので75枚をその大会用にチューンしないといけません。まず候補から外れました。

青白フラッシュはさすがPTでも成績上位者が多いだけあり安定感がありました。
他のデッキに対してのマッチアップでも不利な所が少ないです。一旦候補として残しておきます。

最後に4C機体を使ったのですが、《模範的な造り手》が《野生のナカティル》ばりの速度ですので現代のスタンダードとしては爆発力がとても高く、《模範操縦士、デパラ》が中盤以降もアドバンテージを稼いでくれます。
土地もリストで見ていたより回してみると思ったより安定して回ります。PT時にこのリストを完成させていたMTG Mint Cardのメンバーは流石の一言。
練習では《模範的な造り手》が初手に吸い付く吸い付く(笑)
その練習の勢いそのままに4C機体を使う事を決めました。


今回は自分がデッキのポテンシャルをどれだけ引き出せるかに重点を置いてデッキ選択をしました。
赤黒マッドネスが75点のデッキだとするとサイドボーディングが適正ではないため55-60%しかデッキポテンシャルを引き出せないであろう。

グリクシスは個人的にはサイドボーディングの心配は無いがデッキ75枚を適正に出来ないのでメイン65点⇒サイド65点というイメージ。

青白フラッシュと4C機体ですが共にデッキは85-90点くらいだと思っていて、サイドボーディングで4C機体の方がミッドレンジシフトなど幅を出す事が出来る(他人と差を付けやすい)などを加味して4C機体を選択しました。

自分の中では赤黒マッドネスなど、パーツが一見弱そうで相手のデッキに合わない為サイドアウトしたいがシナジーや役割があるので抜けない等サイドボーディングが極端に苦手で、ミッドレンジなどのカード単体の強さを天秤にかけるデッキの方が大胆なサイドボーディングが出来るから好きなんですよね(笑)
おそらく一番多いであろう青白フラッシュとの練習にかなりの重点を置いて、その結果よりサイドボードの《領事の旗艦、スカイソブリン》を元のリストより1枚⇒2枚に増量してデッキ完成としました。






◆GPクアラルンプール1日目(金)
金曜日は移動日となります。いつもなら国内外問わず余裕を持って昼頃には現地入りし体を休めたいのですが、今回は仕事の都合で関空より金曜16時40発~22時半頃着の便にしか乗れず。
見知らぬ地という事と石川県より僕しか行かないという事で旅程には余裕を持ちたかったのですがやむなし・・・
(当日知りましたが)関空で同じジョニーのお店スポンサードの杉山さんと合流する運びとなったのでこれで旅程の不安も解消されました。
関空にて搭乗手続きを済ませて待っているとTwitterにて杉山さんより「JR事故遅延のため搭乗手続き出来ず。無念」との一報が・・・!
これは杉山さんの分も勝つしか無いと心に誓いつつ搭乗。
フライト時間は前述にもある通り6時間程となります。今回は基本的に読書と睡眠を交互にして時間を潰していました。長いフライトでは携帯ゲームやアマゾンプライムビデオなどで時間を潰すのも人気のようですね。
クアラルンプールの空港に到着すると同便で来ていた関西のプレイヤーの方たちもいたので飯+タクシーでの移動に同行させて頂きました。
夜飯は時間が無いので空港にて。
僕は鶏肉と目玉焼き+炒飯いう無難なチョイス。日本での味に通ずる所もあり結構美味しかったです。




空港ではタクシーチケット売り場という場所があり、行き先を提示し指定額を払えばチケットが貰えます。
それをタクシー乗り場にて渡せばそこに連れて行ってくれるというものでした。
後々の金銭トラブル等がほぼない?事を考えるとかなり嬉しいシステムです。
運転手の方も気さくに話してくれたり、目的地周辺でわざわざ最寄りのロビーを探してくれたり親切でした。
ホテルに着いた頃には日が変わっていたので就寝し明日に備えます。




◆GPクアラルンプール2日目(土)
朝ホテルにて朝食を食べているとそこには杉山さんの姿が・・・!
どうやら成田からなんとか土曜日朝着で搭乗出来たようで「杉山お前・・・生きていたのか!」とかほっこりしつつ朝食を食べて会場へ。

会場は1000人に満たない参加者であれば余裕のありすぎるくらいの広さ、座り心地の良い椅子、プレイマットを敷いても余裕のある感覚とかなり良い場所でした、
ここまではクアラルンプール良い場所!しか言ってないような気がしますね(笑)

僕は2Byeでの参加になるのでそれまでは会場でバイヤーブースを見たりアーティストサインを貰ったり、他の日本人プレイヤーと挨拶したり。
ちなみにアジア圏の海外GPではアーティストサインに並ぶ人が極端に少ないので、ラウンド間に並んでもすぐにサイン出来るので、サインが好きな人にはとてもオススメです!
今回も結局ラウンド間だけで何十枚とサインを貰っていました(笑)






さて、話が少し逸れましたがR3よりBye明けとなり試合が始まります。
初日では下記のようなマッチアップとなりました。



R8では1本目は同型で相手の方が先手で《模範的な造り手》⇒《密輸人の回転翼機》の動きで展開を抑えられず負け。
3本目は土地2でキープしたら死ぬまで土地を引き込めずに負け。
これは相手がマナフラッドを起こしていて土地を引いていたらすぐに巻き返せる状態が何ターンも続いていたので悔しかったです。
なんとか8-1で初日で折り返し、次の日のTOP8にも希望が持てます。


夜飯はがっつり中華を食べて英気を養います!
同じ会場内にあった中華のお店ですが、どれも美味しく、特に小龍包は思わず食べた後に3倍プッシュで追加注文をする勢いでした。
海外では普段国内で一緒に食事に行かない他県のプレイヤーと食事する機会も多く、この日も大盛り上がりで食べ過ぎちゃいました(笑)

海外での日本人の仲間意識的なものでしょうか?僕はそういう風に新しい接点を持てるのも海外GPの魅力だと思っています!
ホテルに戻って、明日に備えて即就寝。



というわけは無く一部屋に集まってスタンやパックウォーズで夜中の2時半くらいまで遊んでいました。
※もちろん夜更かしに耐性のない人は2日目あるなら普通に寝る事をオススメします(笑)






◆GPクアラルンプール3日目(日)
恒例の朝9:00からの開始です。ホテルは会場と繋がっているので朝はとても楽です。
個人的には、近年は特に国内がそうですが、参加者が多く本戦1日目が終わると23時頃だった事も・・・
人混みの中で自分が思っているよりも疲れている事もありますので会場からなるべく近いホテルを取るのも重要だと思っています。

さてさて、ここからプレイヤーのレベルが上がってくるDay2です。
マッチアップは下記のようになりました。




圧倒的青白祭り!!!


この地がGP青白フラッシュでした(笑)
Day1に比べて○○のストレート勝ちが減り相手のレベルが高い事が伺えます。

R10は3本目に《激変の機械巨人》+《大天使アヴァシン》とプレイされこちらの盤面が減らさせる+追加展開にリスクを伴う状態となりました。
《耕作者の荷馬車》と《密輸人の回転翼機》+《経験豊富な操縦者》とプレイし盤面を膠着させましたが、仮に《激変の機械巨人》が毎ターンアタックしてきていれば、いずれ我慢出来ずブロックすれば《大天使アヴァシン》が変身してこちらの盤面が壊滅していましたし、後々聞いた話だと手札に《折れた翼、ギセラ》を持っていたというので相手に攻めっ気があれば負けていた試合でしたので引き分けはこちらとしては望外の結果でした。

R14のTeam cygamesの市川さんの時は3本目の1ターン目に模範的な造り手を出して、2ターン目に屑鉄場のたかり屋ではなく土地を求めて経験豊富な操縦士をプレイしたが、負けに天秤が傾く2日間で1番のプレイミスで、そもそも2ターン目たかり屋⇒3ターン目操縦士で良かったです。
また、呪文捕えは所詮ブロッカーにならないアタッカーだから、戦闘ではブロッカーとしての意識を下げていいよとの事でした。
(これらはHareruya Prosの高橋さんなどに終わった後に指摘されて、確かにと納得しました)
また、相手の《大天使アヴァシン》が変身するとお互いのクリーチャーが死亡するのですが、その時は何故かメダパニにかかっていたかのごとく相手の《折れた翼、ギセラ》のみ生き残ると恥ずかしすぎる勘違いを思い、プランニングが完全に崩壊していました。

R14かR15で勝てばTOP8確定でしたので、自分のプレイミスで落とした事を猛省すると共に考えすぎないように頭をリセットし最終戦に挑みます。

R15は関西のプレイヤーで今年のWMCQファイナリストである小林さんです。
こちらは前ラウンドで教わったことがそのまま出る盤面となったので、進研ゼミの如く教わったことを活かし攻勢を保つことが出来ました。
最後に盤面がかなりきつくなる《大天使アヴァシン》変身スタックで手掛かりドローが《無許可の分解》と、運に導かれる形で勝つことが出来ました!

これでGP京都に続きTOP8プレイオフ進出となり、シルバーレベルに大きく弾みをつける事が出来ます!
12勝2敗1分で5位抜けとなります。
国内GPでしたら目無しなのですが、アジア圏の海外GPは参加人数が1000人以下ですので上記の成績が概ねのボーダーとなり助けられる形となりました。
やはりこれがプレイヤーにとってアジア海外GP一番のメリットでしょう。


TOP8プレイオフ
準々決勝 青白フラッシュ 高橋さん○○
こちらが後手になります。
1本目は相手がマナフラッドを起こし、こちらが《密輸人の回転翼機》と《模範操縦士、デパラ》がシナジーを形成し勝利。
2本目はこちらが1-5ターン目まで《模範的な造り手》-《屑鉄場のたかり屋》-《領事の旗艦、スカイソブリン》と毎ターン動く強力すぎる展開で勝利となりました。
デッキリスト公開にて高橋さんが《折れた翼、ギセラ》3枚である事を知っていたのでこちらが強気に動けたという点も大きかったです。


準決勝 青白フラッシュ 市川さん×○○
こちらが後手になります。予選で唯一負けた青白フラッシュで、残るTOP4プレイヤーの中で一番の強敵である大一番です。

1本目が土地が3枚で止まり、4枚目の土地を置いたターンにクリーチャーを展開しつつ《蓄霊稲妻》(現エネルギー0)を構えるという中途半端なプレイをし、《大天使アヴァシン》をプレイされ《無私の霊魂》2枚と合わされ相手の場が磐石になり巻き返せず負け。
後に八十岡さんがそこのターンだけはぐっと我慢して《蓄霊稲妻》を2枚構えてた方が良かったねとの事でした。

2本目は先手の利を活かし《密輸人の回転翼機》、《耕作者の荷馬車》⇒《断片化》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と終始攻勢を保つ事が出来た為勝利。

相手が先手の3本目ですが、事前のデッキリスト公開で《折れた翼、ギセラ》4枚である事と、予選ラウンド+1本目の結果から市川さんがとても攻めっ気のあるプレイで来た際に負けていると判断し、2日間で初めて思い切って《発明者の見習い》4枚、《模範的な造り手》4枚、《屑鉄場のたかり屋》2枚、《耕作者の荷馬車》1枚を抜いて《儀礼的拒否》以外の11枚をサイドインし完全の受けの姿勢に回ります。
相手の土地が4枚で止まっている間に除去と《領事の旗艦、スカイソブリン》で盤面をクリアにし、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がトークンを生成し出し《大天使アヴァシン》を横並びで超えられる状態になり、サイドプランと上手く噛み合ってくれた事もあり勝つことが出来ました。
もし市川さんが土地を早くに5マナに到達していたら相手の出方をお互いに伺う全く違うゲームになっていたでしょう。


決勝 青白フラッシュ ○○
こちらが後手になります。プレイヤースキルでは高橋さん、市川さんの方が上となりますが相手も決勝までの勢いがあります。こちらも予選で学んだプレイと決勝で学んだサイドプランで迎えます。

1本目は相手が1マリガンよりスタートとなります。《模範的な造り手》-《屑鉄場のたかり屋》と展開出来た事により先手の《呪文捕らえ》を出すかの選択権を相手に委ねる事が出来たのが大きかったです。
相手が《模範的な造り手》と《呪文捕らえ》を戦闘にて相打ちする選択をしたので、第2メインに《耕作者の荷馬車》⇒《発明者の見習い》と展開する事が出来、相手が土地3で止まった事もあり、その後も終始盤面を攻勢のまま勝つことが出来ました。

2本目は、1本目に後手から攻めの姿勢を貫いた為相手が受けに来る事も考え《折れた翼、ギセラ》にだけマウントを取られないように《模範的な造り手》と《流電砲撃》どちらも採用の丸い形に。
相手が先手2マリガンする事となり、この時点で意識はカードアドバンテージを損しない事を念頭に置き、相手の《密輸人の回転翼機》スタートするも、マリガンした相手に引かせたくは無いのでこちらが展開せずに除去で睨みを効かせ除去構え+別アクションが取れるまで我慢をします。
除去構え+《模範操縦士、デパラ》+《密輸人の回転翼機》という構図が出来上がり、損をしない為アタックせずにひたすら相手に行動を強いる状態に。《密輸人の回転翼機》を除去されると《密輸人の回転翼機》を、《模範操縦士、デパラ》を除去されると《模範操縦士、デパラ》を引き込み、これには流石にお互い苦笑が(笑)
やがてこちらの場が《大天使アヴァシン》orインスタントスペル2種が来ても越えられる場が出来上がり、満を持してフルアタック!
思ったとおり相手にこれを止める術は無く勝利となりました!


という事で大きく運に助けられる形もあり優勝する事が出来ました。
勝った時点では実感が無かったですが、トロフィーショットの前に感極まって少し男泣きしてしまいました(笑)
皆さんに祝福して頂いて感謝の気持ちでいっぱいです。
終わった後にR3で当たったRiphatと少し会話してCongratulationと言われ二人で写真撮ったりという一幕も海外っぽい!と個人的に嬉しかったです(笑)



これでPT霊気紛争の参加で得られる3点を含めプロポイント15点となり、今期目標であるシルバーレベルプロが視野に入りました。
次回はGP千葉に参加するので、レガシーにそこまで自信はありませんが頑張ります(笑)

帰りは特にトラブルも無く会場⇒空港に移動し帰国しました。




◆最後に
今回4C機体を使いましたが、その後の改良点などを少し。
GPクアラルンプールでは青白フラッシュが第一勢力となり、緑黒昂揚が少なかった事が最大の追い風でした。
今回使用して、《領事の旗艦、スカイソブリン》はメインに1枚あってもいいと思っています。
緑黒昂揚を意識すると《発明者の見習い》2⇒《領事の旗艦、スカイソブリン》1、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》1にして、サイドに《反逆の先導者、チャンドラ》を採用したいと思っています。
除去も《蓄霊稲妻》1⇒《無許可の分解》1にしたいです。
マルドゥ機体にしても良いかなと思っていたのですが直近のMOPTQでは霊気池の驚異デッキが再度増えてきた事から、このまま4C機体でも良いかなとふらふらしています(笑)
また、4Cだと《儀礼的拒否》の代わりに《呪文捕らえ》を試さないといけないなーと思いつつ。
つらつらと構想を書きましたが機体デッキは思っているより自由度が高いデッキだと思っていますので考えている時が楽しいですね。

長い記事で拙い文章でしたが、ここまで読んでくれた方はありがとうございました。
次回の記事や会場などでお会いしましょう!

(次はGP千葉レポートかリミテッドシールド記事かなぁ)